SIGMA(シグマ) 50-100mm F1.8 DC HSM Art
素人がバスケットボール写真を撮影をするという観点で行う、バスケ撮影的レビュー4
このSIGMA(シグマ) 50-100mm F1.8 DC HSM Art を使用し、バスケ試合の写真を初めて撮影してみて感じたことを書いた前回レビューの「続き」を。
使用したカメラは、いつものCanon EOS 80D。
下で使用したバスケ試合の写真は、全てリサイズのみで編集なし。
■シャッタースピード
・撮影した小学校は、創立50年の学校で、決して明るい体育館ではなかったが、シャッタースピード優先モードを使用しF1.8~2.0で1/800程度のシャッタースピードを確保できた。
今まで使用していた単焦点レンズCanon EF85mm F1.8 USMと、何ら遜色なく速いシャッタースピードで撮影することができた。
(シャッター優先,f1.8,SS1/800,ISO1250,露出補正0,焦点距離100mm)
■フォーカススピード
・フォーカススピードは、非常に速い。
バスケ撮影の際、シュートシーンよりも、実はどこに出すか分からないバスシーンを撮影する方が(自分的には)難しかったりする。しかし、フォーカススピードが速いので、突然のパスシーンも綺麗に捉えることができた。
(シャッター優先,f2.0,SS1/800,ISO1600,露出補正0,焦点距離73mm)
・ 今まで使用していたCanon EF85mm F1.8 USMのフォーカススピードは爆速だったので、それより速いとは正直思わなかったが、決してに劣ることがないフォーカススピードだと思う。バスケ撮影で、フォーカススピードで困ることはなかった。
(シャッター優先,f2.0,SS1/800,ISO2500,露出補正0,焦点距離69mm)
■ピント合わせ
・フォーカススピードが速いので、当然はスッとピントは合う。
が、これは慣れのせいかもしれないが、思ったところにピントが合わず、ピント合わせが難しいと感じる時が正直あった。
使用しているEOS 80Dは、45個の測距点があり、いつもはその内の中央9個で被写体を追いかけている。詳しくは、下記過去記事で。
具体的には、下のように真ん中の9個で被写体を捉える。
基本的に、中央の1点が一番精度が高く、今まで使用していたレンズの場合は、まずは中央1点プラスその他の点で被写体を捉えることが多かったと思う。
しかし、このレンズの場合、中央1点が捉える前に、周りの8点のいずれかが先に被写体を捉えることが結構あった。
被写体が手前にいる場合は、大きな問題ではなかったが、手前に選手が沢山いる場合にその奥にいる選手にピントを合わせようと思うと失敗するケースが多かった。特に試合の前半戦のシュートシーンや、後半戦の自ゴールにコート奥からシュートするシーンなどは、正直ほぼ全滅だった。。。(手前の選手にばっちりピントが合ってしまう・・・苦笑)
バスケ撮影で、そういったケースでピントが合わないことは結構あるが、全滅なのは流石にちょっと凹む・・・
恐らく慣れの部分が大きいのではないかと思われるので、もう少しピント合わせを練習する必要がある。
(シャッター優先,f1.8,SS1/800,ISO3200,露出補正0,焦点距離80mm)
(シャッター優先,f1.8,SS1/800,ISO1250,露出補正0,焦点距離100mm)
■ズーム
・まず、ズームリングの径が大きい上に重い。(使っていくうちに、多少軽くはなるとは思うが)
さらに、下の写真の見て分かるように、ズームリングに三脚座が被っている上に、ズームリングと三脚座の間に手が入る隙間もない。なので、一脚を使用した状態で下から手を添えてズームリングを回すことはかなり難易度が高い。
ということで、一脚を使用した状態でのスピーディなズーミングは難しい。
その結果、試合の後半は、ほぼ100mm固定で撮影していた・・・
いいズームのやり方を見つけないと・・・
(レンズ前方のフォーカスリングは、径が大きいのに軽く回すことができるし、場所的にも三脚座と被らない。オートフォーカスしか使用しない自分としては、フォーカスリングとズームリングが入れ替わっていたら何も問題ないのに・・・と思ってしまう)
・下の写真は、コートからシュートを放った指先(欲を言えば放ったボール)まで全身を写そうと、気持ち的には50mmで撮影していたのだが、まだうまくズームリングを咄嗟に回せないので、結果的に回しきれず59mmとなり指先が切れてしまった。
この辺は、練習して慣れていくしかないかなと。
(シャッター優先,f1.8,SS1/800,ISO1000,露出補正0,焦点距離59mm)
・画質については、望遠側でも広角側でも非常に素晴らしい。
また、望遠側と広角側では背景の写り方が変わるので、トリミングでは得られないイメージの違う写真を撮影することができて楽しい。
下の写真のように、広角側だと奥行が出てコートの広さを強調し、望遠側だと背景が近づいたように見える(圧縮効果)ため、背景のベンチが大きく写りより試合感が出る。
(シャッター優先,f2.0,SS1/800,ISO1250,露出補正0,焦点距離50mm)
(シャッター優先,f1.8,SS1/800,ISO1250,露出補正0,焦点距離100mm)
また、下の写真のように、望遠側だと背景がぎゅっと詰まった感じになるので、同じような距離、角度から広角側で撮影した写真を被写体が同じくらいの大きさになるようにトリミングしても、周りの選手との位置関係が同じにはならない
(シャッター優先,f2.0,SS1/800,ISO1600,露出補正0,焦点距離60mm)
(シャッター優先,f1.8,SS1/800,ISO2000,露出補正0,焦点距離100mm)
<下は焦点距離60mmの写真を焦点距離100mmと同等にトリミングした写真。ちょっと分かりにくいが、左隣の選手との位置関係は同じはずなので、写り方が違う>
■その他
・モノとしてのデザインや質感は非常に高く、所有欲を満たしてくれるレンズ。
・気になる部分としては、レンズ接合部の噛み合わせというか強度。
レンズの接合部分が、決して浮いているわけではないが、所有している他のレンズよりもカタカタと多少遊びが大きい感じ。
実は、某量販店の展示機のレンズ接合部がものすごく浮いていて、ガチャガチャとカメラから外れて落ちるんじゃないかくらいになっていたものがあった。
しばらく使ってみてどうなるか、確認していきたい。
■まとめ
2回に分けて、初めてバスケ写真で使用した際の感想を書いた。
結論から言うと、SIGMA(シグマ) 50-100mm F1.8 DC HSM Art は単焦点並みに綺麗に撮れて、しかもズームができる、非常に優れた、非常に楽しいレンズだと思う。
想像していた通り、バスケットボール写真の撮影に適した非常に素晴らしいレンズだと思う。
気になる点は以下の3点。
①ピント合わせ(手前に選手がいる場合の奥の選手へのピント合わせ)
②ズーム(スピーディなズーミング)
③使用している雲台の強度(レンズそのもののせいではないが)
①のピント合わせについては、今までは撮影できていた写真が撮影できなくなっているので、早急に対応が必要。
②のズームは、そもそも望遠であることがこのレンズを使用する大きな理由の一つなので、これも何とかしないといけない。
③の雲台の強度は、近いうちに雲台を変えることで対応したい。
とにかく、SIGMA(シグマ) 50-100mm F1.8 DC HSM Art は素晴らしいレンズなので、後は沢山撮影をして慣れていくしかないと思う。何事も練習、練習。
<使用機材>
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