しばらくミニバス撮影時のカメラの設定の話をしてきたが、今回はミニバス撮影時の「撮影位置」について書いてみたい。
ミニバスは小学校の体育館で行われることが圧倒的に多い。
その場合、二階席などなく、コートサイドに応援席があるので、その応援席の後ろに立って撮影している。
ネットでバスケの撮影位置について調べると、「常に自分のチームが攻めるゴール付近からがいい」とか「撮影位置はゴール下がいい」という感じで書かれているケースがいくつかあった。
確かに正しいんだろうなと思う。職業カメラマンの視点としては。
自分の場合は、まずは子供の応援が一番。二番が写真。三番がビデオ。
自チームの応援席で精一杯応援しながらその合間に撮影するというので十分。
ミニバスケットボールのコートはこんな感じになっている。
テーブルオフィシャルズのベンチに向かって右が「白色チームベンチ」左が「濃色チームベンチ」。チームベンチの向かい側が、その色の応援席になっている。
応援席は、センターラインから5m離れることになっている。コートとの距離は
だいたい2~3mくらい離れているのが普通(目視レベル)。
なお、前半(1Q/2Q)は相手サイドのゴールに攻め込み、後半(3Q/4Q)はコートチェンジして自チームサイドのゴールに攻め込むことになる。
撮影位置としては、自チームが白色であれば、白い①か②、自チームが濃色であれば、黒い①か②から撮影することが多い。
前半後半とも①の場合もあれば、前半①後半②のこともあるし、①と②をうろちょろする場合もあるが、だいたいこの辺りからの撮影になる。
では、①辺りの撮影位置から撮影した場合、コート上のどの辺りの選手がどういう感じで写真に写るのか。
自チームは「白色」、で前半後半とも「①」の場所から、次の「A~I」にいる選手を撮影している写真で比較してみる。
なかなかうまい具合に比較できる写真はないが、ざっくり雰囲気だけでも伝われば。
使用している機材は以下の通り。
・カメラ:Canon EOS 80D
・レンズ:Canon EF85mm F1.8 USM
(写真は、目線とリサイズのみ)
<A>
[1/640秒, F2.0, ISO3200, 85mm]
<B>
[1/500秒, F2.0, ISO1000, 85mm]
<C>
[1/640秒, F1.8, ISO3200, 85mm]
<D>
[1/500秒, F1.8, ISO1600, 85mm]
<E>
[1/500秒, F2.0, ISO1600, 85mm]
<F>
[1/800秒, F2.0, ISO2500, 85mm]
<G>
[1/500秒, F2.0, ISO1000, 85mm]
<H>
[1/500秒, F2.0, ISO1250, 85mm]
<I>
[1/500秒, F2.0, ISO400, 85mm]
被写体までの距離は、コートサイズによっても異なるため正確ではない。ざっくりとしたこのくらいと思っていただきたい。
焦点距離が85mmのレンズを使用した場合の写り方が上記のような感じなので、例えば
50mmにしたら85mmより写る範囲が広くなる=選手が小さくなる
100mmにしたら写る範囲が狭くなる=選手が大きくなる
という目安にしていただきたい。
(但し、同じレンズでもカメラがフルサイズ機なのかAPS-C機なのかによって、写る範囲が変わってくる。使用しているEOS 80Dは、APS-C機。APS-C機の方が、同じレンズであっても1.5~1.6倍程度焦点距離が増える=写る範囲が狭くなる=選手が大きくなる。)
こうして見てみると、85mmは万能ではないが、前半/後半、オフェンス/ディフェンスをズームではなく単焦点1本で済ませたい場合に、かなり有効なレンズかなと思う。
ただ、手前コートサイド近くだと選手のカラダが切れてしまうことが多いので、そこは50mmの方が選手のカラダ全体を写せるなとも思う。
やはり、レンズはなかなか難しい。50mmスタートで明るい望遠・・・欲しい。
いつの間にかレンズの焦点距離の話になってしまった(苦笑)。
ということで、撮影位置の話から、ミニバスのコート上の選手の位置によって写り方(写る大きさ)がどう変わるのか比較してみた。
撮影位置を決めるまたはレンズを購入する際の参考になれば。
なお、 ミニバスケットボールは、
・点数が沢山入るため、シュートシーンが沢山ある
・オフェンス/ディフェンスのチェンジが速い
・基本的に同じ場所でじっとしていることがなく、みんな動き回る
・とは言え、ディフェンスやフリースローなど動きが止まる時もある
・最低でも1チーム10人の選手は必ず出場する
ということで、他のスポーツに比べて、試合の展開も速く、シャッターチャンスも多いし、どの場所に立っていても出場している選手全員のシャッターチャンスはあると思う。撮影していて楽しい。
だから、ミニバス撮影はやめられない。
<使用機材>
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